2024年12月15日にステーションコンファレンス東京にて、ピジョン奨学財団の交流会が行われました。会場には、医学部に在学中で周産期医療に携わる医師を志しているピジョン奨学財団奨学⽣の5年生30名、6年生16名が集まりました。奨学生は北海道から九州まで全国の医学部に在学しているため、交流会は直接顔を合わせてコミュニケーションができる貴重な機会です。また、今回はピジョン奨学財団の卒業生で現在研修医の6名と、役員・選考委員の11名の医師の皆さまにも参加していただきました。
第一部では、参加していただいた医師の先輩方への質問会を実施しました。今回は奨学生が6〜7人の小グループに分かれ、そのグループに一人ずつ先輩医師に入ってもらい、ディスカッションできる形式で行いました。奨学生からの質問に対して、周産期医療の現場で活躍されている先生方より貴重なご意見を回答いただきました。
第二部では、医師の先輩でもある財団の評議員や理事などの役員も参加し、さまざまな立場の方からお話をお聞きする機会にもなった上、奨学生同士が交流して横のつながりを深めることにもつながりました。
第一部に先立ち、質問会に参加していただく先輩医師の皆さまに自己紹介をお願いしました。
左から順に、片山啓先生、林良寛先生、笠井靖代先生、張田豊先生、金丸ゆり先生、中村碩秀先生、藤井厚一郎先生、田村茉友香先生、津須ちひろ先生、木村忠誠先生
第一部:先輩医師への質問会
奨学生が6〜7名単位で10グループに分かれ、それぞれのグループに先輩医師に一人ずつ入っていただき、質問会を実施しました。
まずはじめにグループ内での自己紹介からスタート。最初はやや緊張した面持ちの奨学生もいましたが、そこは同じ周産期医療を志す同士です。小グループなのでそれぞれの興味がある分野や不安に感じていることを率直に話すことができたようで、あっという間に距離が縮まり、すぐにあちこちのグループから活発なやり取りが聞こえてきました。
その後、事務局から提示されたテーマに沿って話を進めました。
テーマ1:研修医時代の過ごし方
5年生の奨学生にとって一番気になるのは、やはりマッチング。見学に行った時期や回数、見学の際にチェックするべきこと、決め手になったポイントなど、先輩医師の体験について熱心に質問していました。6年生の奨学生はマッチングを経験している学生が多く、よりリアルな体験談を披露していた様子も見受けられました!5年生にとっては貴重な情報収集の場となったようです。
テーマ2:キャリア形成について
テーマ1と2では、同席する先輩医師をシャッフルして、より多くの先輩の考えや体験を聞けるように配慮しました。キャリア形成については、大学院への進学時期や海外留学のタイミングについての質問や意見交換がされていました。熱心にメモを取る奨学生もいました!
数名の小グループだからこそ話せる具体的な病院や大学名も飛び交い、「ココだけの話」で盛り上がりました。
第二部:近況報告会・グループ交流会
第二部ではピジョン奨学財団の役員や選考委員が加わり、食事を楽しみながら交流を深めるプログラムを実施しました。はじめに仲田洋一評議員より開会挨拶がありました。
「ピジョン奨学財団は、資金面で奨学生の皆さんを支援するだけではなく、大学を越えた横のつながりを持ってほしいとの思いから立ち上げました。日本は縦社会になりがちですが、世界が広くなっていく中、横のつながりというのはこれからますます大事になってきます。皆さんの力で子どもをより良い方向に育んでいけるように、この横のつながりを活かして研鑽を積んでほしいと願っています。」
続いて、北澤代表理事より乾杯の挨拶がありました。
「少子化はますます進み、昨年の出生数は約73万人、そして2024年は68万人程度と推計され、統計が始まって以来過去最少を更新することは間違いありません。しかし、ピジョンの業績は落ち込んでおらず、これは共働きが増えたことで育児の負担を軽減するための育児家電が好調なことなどが理由です。このように世の情勢はどんどん変わっていきますが、奨学生の皆さんにとって2024年はどのような年だったでしょうか?皆さんが今後も勉学に励み、精進していくことを期待しています。」
乾杯後はテーブルごとにグループに分かれ、食事を楽しみながらの歓談の時間となりました。奨学生卒業生の先輩医師による近況報告も行われました!内容を抜粋してご紹介します。
「小児泌尿器科で働いています。NICUなどで繋がれた尊い命が、その先の学校生活や社会生活に復帰できるように外科的処置などをしています。プライベートでは、研修先は静岡なので海釣りにハマっています。先日はタイやヒラメなど数十匹釣れました!楽しい研修医生活を送っています。」(研修医)
「来年から小児専攻医として3年間のプログラムに入る予定です。研修の合間を縫って、趣味はゴルフと旅⾏を思いっきり楽しんでいます。ゴルフはベストスコアが101で、100を切ることが目標。旅行はアメリカやカナダ、ヨーロッパなどに行っているので、卒業旅行の行き先に迷っている人がいたらアドバイスできます!」(研修医)
「研修医2年目で、ここまであっという間でした。あと1年くらいやりたい気持ちです。学生の時にチアリーディングをやっていて、最近また始めました。ものすごく楽しくて、筋トレを頑張っていたら腹筋が割れました!」(研修医)
「とにかく子どもが大好きで、小児科に進みました。学生の時に保育士の資格を取り、地域の子どもと遊ぶサークルにも没頭していました。子ども好きを突き詰めたら小児科医になったタイプですが、今は楽しくやっています。同じタイプの人がいたら声をかけてください。」(研修医)
「今年、大学院に進学して、生まれて初めて関東を離れて生活しています。趣味は中高でビオラを弾いていたのですが、大学院に進学してから演奏する機会が増え、ある学会のオーケストラにもお誘いを受けて参加しました。音楽を通じた一体感の楽しさを改めて感じています。」(研修医)
「現在、地⽅の市中病院の救急外来で研修をしていまして、非常にやりがいを感じています。6年生だった去年、この交流会で 当時の5年⽣と交流したのですが、その方と今日も会えてうれしかったです。このように代を超えて交流が続いていくと素晴らしいと思います。」(研修医)
今回の交流会は6年生の参加も多く、5年生は気になるマッチングについてリアルな情報をたくさん手に入れることができたようです。参加していただいた当財団の役員の先生方からは、受け入れる側としての率直な話もしていただき、他ではなかなか得ることができない話を聞けたようでした。
最後は板倉業務執行理事より、締めの挨拶がありました。
「少子化の話は本日も何度か出ていますが、ピジョンにとって少⼦化や⼈⼝減は、事業活動における大きな課題だと捉えています。この課題をピジョンは商品やサービスの提供、社会課題への活動から解決しようと⼯夫して取り組んでいますが、皆さんはまた違うステージでこの課題に取り組んでいくことになります。これから大義ある仕事に邁進していく皆さんがチャレンジしたり、勉学に励んだりできるように、ピジョン奨学財団はサポートしていきます。」
今回は小グループでのコミュニケーションを大切にした交流会となりましたが、より深い会話ができて、つながりも強固になったことと思います。大学の垣根を超えたピジョン奨学財団奨学生同士の横のつながりは、研修医になっても、さらにその先の進路においても貴重なネットワークとなります。今後も交流を深め、お互いに励まし合いながら切磋琢磨して成長し、周産期医療の現場で活躍することを願っています。