2018年7月に新奨学生発表会・交流会を開催しました

2018年7月29日に、ピジョン奨学財団の新奨学生発表会・交流会が行われました。新生児科、小児科、産科の医師を志す医学部の5年生が新たに奨学生として加わり、ピジョン奨学財団関係者、現役の医師等が務める財団の評議員・理事・監事・選考委員、奨学生が一同に集いました。

■第一部:新奨学生発表会

まずはじめに、ピジョン奨学財団の仲田洋一評議員から挨拶がありました。「近年の課題は複雑化し、ひとりで解決することは難しく、仲間とともに取り組むことが必要。ピジョン奨学財団の奨学生は、今年から中部・関西地域の医大にも対象を広げ、さらに幅広く仲間を作れるようになりました。奨学生としての5・6年生の2年間は本日の交流会のような機会を活かして横のつながりを密にして欲しい」と、今回の交流会を機に奨学生同士が連携していくことを期待していました。

その後、山下茂代表理事より新奨学生が一人ひとり発表されました。奨学生は卒業生が今までで60名弱、現6年生が33名、そして今年、現5年生43名が加わりました。

続いて、評議員・理事・監事・選考委員より、これからの未来を担う新奨学生へ、歓迎の言葉をいただきました。

評議員:大越/堀口/中林/高田評議員:大越/堀口/中林/高田

理事:赤松/加部/林/田角理事:赤松/加部/林/田角

理事:福岡  監事:鈴木/榎本 理事:福岡  監事:鈴木/榎本

選考委員:東海林/加古/笠原/小林選考委員:東海林/加古/笠原/小林

「ピジョン奨学生に応募してくれたということは、周産期医療に興味があるということ。これからの周産期医療を担う皆さんに会えたことを、本当に嬉しく思います。今日の交流会で、若い皆さんとお話できることを楽しみにしてきました。」

「5、6年生の皆さんは、さまざまな科の実習中だと思いますし、これからの研修医期間にはいろいろな経験を積むと思います。その経験を糧にしながらも、いつかまた周産期医療の世界に戻ってきてくれて、一緒に仕事をできればこんなに嬉しいことはありません。」

と、評議員・理事の方々がそれぞれの立場から奨学生へ向けた歓迎の言葉は、激励と期待を込めた熱いメッセージとなりました。

■第二部:交流会

新奨学生発表会の後は、昨年奨学生となった6年生も加わり、食事をまじえながらの交流会です。大越昭夫評議員の乾杯を合図に、学生同士や、学生と評議員・理事の間で食事をしながらのフリートークとなりました。交流を深める中、奨学生による近況報告がありました。

まず、6年生が壇上に並び、それぞれ充実した学生生活を報告しました。

「4月にイギリスの産婦人科で1ヵ月臨床実習をさせてもらいました。イギリスは女性医師が多く、女性の働き方やワークライフバランスについて、多くの知見を得ることができました。こうしてイギリスに行けたのも、ピジョンの奨学金のおかげなので、とても感謝しています。」(東京慈恵会医科大6年)

「病理部で選択実習中で、これまでとは違った視点で疾患をみることができて、勉強になっています。奨学金のおかげで食費を切り詰めなくても大丈夫になり、余裕を持って勉強できています。」(東京医科歯科大6年)

「ピジョンの奨学生に選んでもらってから、このような交流会には毎回参加し、皆勤賞です。毎回、素晴らしい人たちと素晴らしい出会いがあり、刺激になっています。奨学金でさまざまな勉強や活動ができることはもちろんですが、出会いがあることもピジョン奨学生の魅力です。」(慶応義塾大6年)

5年生は、希望している科や、今後の予定を報告しました。今年より対象となった関西圏の医大生も参加し、奨学金を活用して留学を予定しているなど、幅広い話を聞くことができました。

「小児科を志望しています。いただいた奨学金を有効活用し、海外の大学に研修に行く予定です。」(神戸大5年)

「大学2年の時に弟ができたことがきっかけで、新生児科か産科を希望しています。来年4月の学会発表に向けて準備しています。」(大阪大5年)

「産科を志望しています。11月にスコットランドのエジンバラ大学で1ヵ月の病院実習をさせていただくことになりました。」(京都府立医科大5年)

「もともと外科志望で、いろいろな手術室を回らせていただき、産科に進みたいと決めました。今後はアメリカのハーバード大学に留学予定です。」(名古屋大5年)

「小児外科を志望しています。病棟実習が始まって、忙しくてアルバイトができない状況になったので、奨学金は本当にありがたいです。海外の子どもたちと関わる活動もしたいと思っていたので、これで希望が叶えられそうです。」(横浜市立大5年)

「学年が上がるたびに勉強が専門的、実践的になり、もっと勉強や研究に打ち込みたいと思っていたので、奨学金をいただけて感謝しています。これでアルバイトを減らせます。」(筑波大5年)

「子どもに関わる仕事をしたいと思い、小児科を希望しています。今までは親のスネをかじっていたので、奨学金をいただけたことで、心の負担が少し減りました。心置きなく勉強に打ち込みます。」(群馬大5年)

奨学生の近況報告をきっかけに、さらに会話が弾み、他大の学生や現役の医師である評議員・理事・選考委員である医師の方々と交流が深まった様子でした。まだまだ話足りないようでしたが、盛会のうちに閉会となりました。

奨学生の皆さんが勉学に励み、さまざまな経験を通じて、今後の新生児・小児・妊産婦医療に貢献する人材へと飛躍することを期待しています。