2018年12月18日に、フクラシア丸の内オアゾにて奨学生交流会と、奨学生と財団卒業生の「座談会」が行われました。
■はじめての「座談会」
ピジョン奨学財団設立後、初めて、奨学生(現5年生・6年生)と、財団卒業生4名(開催当時初期研修1年目・2年目)を招いて、座談会を行いました。卒業生に参加いただくのは今回初めてになります。座談会は、現役の学生が、年齢の近い先輩たちに今後の進路など、様々なことを相談し、今後の進路選択の参考になるような内容を提供したいという想いで開催しました。
まずは卒業生から簡単な自己紹介を行い、座談会スタート。 5、6年の奨学生が4つのグループに分かれて、そこに卒業生が1人ずつ入り、一定の時間が来たら卒業生が交代、参加頂いた4人の卒業生全員の話を聞ける形式で座談会は進んでいきました。
卒業生の4名は、事前に5・6年生から寄せられた質問、「初期研修の選択は何科を選んだらよいのか」「初期研修はどれくらい忙しいのか」「一週間のおおよそのスケジュールはどのような様子か」「研修先で外来を担当することはあるか」「大学病院の給料は低いと聞いたが、金銭的に困ることはあるか」「同期が多い研修のメリットとデメリットは何か」「学生時代に考えていた初期研修へのイメージと実際はギャップがあったか。そのギャップの内容はどのようなものか」などにまずは答え、学生の緊張を解きほぐしていきました。その後、学生から出てきた質問にざっくばらんに答え、また次のグループへ。その繰り返しで会場は盛り上がっていきました。
最初はお互いに緊張の面持ちでしたが、やはりそこは卒業生。奨学生たちの気持ちを察し、緊張がほぐれるようにオープンマインドで自身のありのままの考え・姿を語ってくれました。奨学生たちからは、「何でも聞いていいよ、というスタンスだったので聞きやすかった」「実際の初期研修の様子を話してもらえたので、今後のイメージがわいた」「初期研修の病院選びの参考になった」「あえて初期研修は志望と異なる科に行ってみる意味なども意見として聞いて、色々と考えさせられた」「自分のマッチングに今日の話を役立てたい」等、好意的な意見がたくさん寄せられ、盛会のうちに初めての「座談会」は終了しました。
■それぞれ立場が異なる人が集まる「交流会」
後半は恒例の交流会。新生児科、小児科、産科の医師を志している5,6年の奨学生と、現役の医師等が務める財団の評議員・理事・監事・選考委員、そして前段の「座談会」にも参加してくれた卒業生も参加し、縦横様々なつながりでの交流がなされました。
はじめに、山下茂評議員から乾杯の挨拶がありました。続いて、11月より理事に就任した笠井靖代理事からの挨拶。その後は各テーブルを囲んで立食でのフリータイム。学生同士や、卒業生・学生と評議員・理事・監事・選考委員らの間でざっくばらんに話が弾み、交流を深め、途中奨学生ひとりひとりによる近況報告がありました。
国家試験を控えた6年生は、参加が少なかったですが、そんな中でも参加してくれた方からは
「最近勉強漬けですが、良い刺激と気分転換になりました。まずはとにかく国家試験をがんばります」
と口々に意気込みを述べました。
5年生は、5年で始まった選択実習の感想や、6年次に行われる研修予定を報告しました。前回7月の交流会で海外研修に行くと報告してくれた学生からは、実際に行ってきた感想を話してくれるなど、周りも興味深く聞き、そして着実に夢に向かって進んでいる様子を窺い知ることが出来ました。 そして最後は赤松栄治業務執行理事の中締めにてお開きとなりました。 今回の交流会も学年・性別・大学を問わず熱心に話し込む姿が見られ、盛会のうちに閉会となりました。
このピジョン奨学財団の交流会は、志を同じくする他大学の奨学生の話を聞いたり、現役の産科・小児科・新生児科医から現場の話しやアドバイスをもらえる貴重な場になっています。自分の大学の中だけでは、志望者の少ない産科・小児科・新生児科なので、なかなか情報が得られていないという声をよく聞きます。そこで、奨学金によって経済的援助を行うだけでなく、同じ志の奨学生や、現役の医師の方々と定期的に交流できる機会を設けることも、ピジョン奨学財団の役割と考えています。