2022年7月に授与式および交流会を開催しました

全員の集合写真

2022年7月10日に、東京駅近くのステーションコンファレンス東京にて、ピジョン奨学財団の新奨学生発表会・奨学生証授与式が行われました。小児科、産科、新生児科の医師を志す学生を対象としたピジョン奨学財団の奨学生は、2015年に第1回の募集をスタートし、今年で8年目を迎えることになりました。2022年は、21大学の医学部5年生50名が新たな奨学生として選抜されました。

奨学生発表会・奨学生証授与式は、奨学生と財団の評議員・理事・選考委員が一同に集う形で行われていましたが、ここ2年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、会場参加とオンライン参加の形で開催しました。今年もほぼ半数の奨学生はオンライン参加となりましたが、会場とリアルタイムにつないで、お互いの顔を見ながらコミュニケーションできる貴重な機会となりました。

第一部:新奨学生発表・奨学生証授与式

挨拶する北澤代表理事

まずはじめに、代表理事の北澤憲政より挨拶がありました。

「奨学生に選ばれた皆さん、おめでとうございます。ピジョンは、会社の存在意義を『この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします』と掲げています。新たな取組として、中学生向けの『赤ちゃんを知る授業』を開発し、教材提供した学校のうち、69校が授業を実施し、6,600名を超える中学生が授業を受けることができました。また、ピジョンには男性社員も利用できる1ヶ月間有給で休める育児休業制度『ひとつきいっしょ』があり、取得率は100%です。今後はピジョンももっと父親の育児参加を促す商品を開発していきたいと考えています。こうしてピジョンは世界を赤ちゃんにやさしい場所にするべく、さまざまなことに取り組んでいますが、これからの時代、ますます赤ちゃんを産みやすい世界になるように、皆さんの活躍にも期待しています。」

挨拶する仲田理事

続いて、評議員の仲田洋一から挨拶がありました。

「いま皆さんは、コロナ禍という誰もが経験したことがない状況に挑戦しています。しかし、夢や理想を持って周産期医療の分野を目指している皆さんは、この環境に負けるわけにはいきません。夢を達成すべく、前へ前へと努力を積み重ねて欲しいと願っています。」

  • オンライン参加者
  • 会場の参加者
  • 奨学証書の授与1
  • 奨学証書の授与2

次に、北澤代表理事より新奨学生50名の発表が行われ、一人ひとりの名前と大学名が読み上げられました。また、50人の奨学生を代表して、2人に奨学生証が授与されました。

発表後、評議員・理事・監事・選考委員より、新奨学生へのお祝いの言葉をいただきました。会場にご来場いただいた評議員や理事だけでなく、オンライン参加の役員からも、期待と激励を込めたメッセージをいただきました。祝辞の一部をご紹介します。

  • 挨拶する参加者1
  • 挨拶する参加者2
  • 挨拶する参加者3
  • 挨拶する参加者4

「奨学生の皆さんには、高い志を持って大きな仕事を成し遂げることを期待しています。ここで50人の奨学生同期ができたので、これからお互いに共感し合い、刺激を与え合う仲間として、切磋琢磨してください。」(山下茂評議員)

「医者という職業は、ネットワークがとても大切な仕事です。ここで出会った仲間は、貴重なネットワークとなります。ぜひ連携して、勉強や医療技術の向上につなげてください。皆さんの成長に期待しています。」(小児科医/片山啓評議員)

「現在の社会情勢は、あまり良いとは言えません。皆さんも身の回りの環境に不安を抱くことがあると思います。ということは、これからお母さんは不安の中で子育てしなくてはならず、今後はますます心のケアが必要になってくると思われます。奨学生の皆さんは、医学技術だけではなく、心のケアができるような医師になってほしいと願っています。」(板倉正業務執行理事)

「世界の医学の進歩は非常に早く、ひとりではとてもカバーできません。日本の医学界の中で、縦と横のつながりを密にすることが、世界の趨勢 (すうせい)を理解する唯一の方法です。日本の医学を発展させるために、また悩んでいる患者さんのためにも、ぜひこの場で出会った横のつながりを大切にしてください。」(産婦人科医/福岡秀興理事)

「私は小児科医をしながら、赤ちゃんの研究をずっと続けています。赤ちゃんは生まれたときにはこの世に光があることもわかっていないのに、1年も経つと歩いたり、しゃべったり、ご飯を食べたりするようになります。こんな面白い人は、この世にいません。ぜひ皆さんも、生まれてくる赤ちゃんの味方になってください。」(小児科医/林 良寛理事)

次に、新奨学生を代表して2名から、ピジョン奨学財団の奨学生としての決意表明の挨拶がありました。

奨学生代表の挨拶1

「現在は、無事に赤ちゃんが生まれてくること、子どもが元気に育つことは当たり前になっています。しかし、この『当たり前』は医師の先生方が不断の努力で築き上げてきたものです。誇るべき『当たり前』が継続し、子どもたちが元気に育つように、ここで出会った奨学生同士で助け合いながら努力していきたいと思います。」(岐阜大学5年)

奨学生代表の挨拶2

「小児病棟で子どもたちと遊ぶボランティア活動をしています。子どもたちは病気と闘いながら、家族に心配をかけないように明るく振る舞っています。そんな子どもたちは、私たちが行くことを心待ちにしてくれています。笑顔が増えたと家族の方からも喜んでいただくことができて、寄り添うだけで力になることを学びました。学んだことを忘れず、子どもたちの未来を守っていける小児科医を目指していきたいです。」(神戸大学5年)

全員の集合写真

第一部の最後には、オンライン参加の奨学生と役員を会場参加者が囲むようにして、記念撮影を行い、オンラインも会場も笑顔で1枚の写真に収まることができました!

■第二部:近況報告・グループセッション

第二部は、昨年から奨学生となっている6年生数名も参加し、奨学生同士の交流を深めるプログラムを実施しました。まずは自己紹介を兼ねた近況報告を1人ずつ行いました。少し緊張しながらも、勉強はもちろん、学生生活も楽しんでいる様子を話してくれました。抜粋してご紹介します。

  • オンラインでの近況報告1
  • オンラインでの近況報告2
  • 参加者の近況報告1
  • 参加者の近況報告2
  • 参加者の近況報告3
  • 参加者の近況報告4

「病棟実習中で、いまは小児科にいます。外来に来た赤ちゃんに触れることができて、すごく楽しいです。」(5年)

「社会人を経て入学し、産婦人科医を目指しています。実習でいろいろな科を回って、貴重な経験をさせてもらっていると感じています。」(5年)

「奨学生の名簿を見たら、同じ高校の同級生が2人もいてビックリしました(笑)。世間は狭いと感じました。」(5年)

「ラグビー部のマネージャーをしていたのですが、去年引退して、いまは差し入れを持って試合の応援に行くことが楽しみです。私は関西の大学なのですが、東京の病院見学に行きたいと思っているので、今日はいろいろな情報を聞きたいと思っています。」(5年)

「2年半ぶりに部活が再開し、東医体(東日本の医学部のスポーツ対抗戦)も3年ぶりに開かれるので、部活の練習に力が入っています。大会がすごく楽しみです。」(5年)

「ラグビー部に所属しています。最後の西医体(西日本の医学部のスポーツ対抗戦)に向けて、5キロ体重を増やすことを目標にしています。」(6年)

「心電図検定の1級を取りました。奨学金のおかげで、少し高額の機器を買って準備をすることができました!」(6年)

「旅が好きで、世界遺産検定の2級を取得しました。学生最後の卒業旅行が楽しみです。」(6年)

「4月に新たな“推し”ができて、毎日が充実しています(笑)。ここで話を聞いて、私もなにか検定を取りたいと思いました。」(6年)

勉強の合間に旅行に行ったり、資格をとったり、部活に熱中したり…勉強に忙しい医学部生ですが、時間を作って充実した学生生活を送っていることが垣間見える近況報告でした。

グループディスカッションタイトル

  • グループディスカッションの様子1
  • グループディスカッションの様子2
  • グループディスカッションの様子3
  • グループディスカッションの様子4

続いて、志望の診療科ごとに4〜5人のグループに分かれて交流するグループセッションを実施しました。

会場参加の奨学生はテーブルごとに、オンライン参加の奨学生はZOOMのブレイクアウトルームに分かれて、
「1.志望する科を選んだキッカケ」
「2.志望する科に進むため、自分がどんなことに取り組んでいるか、どんな悩みがあるか」
のテーマをキッカケに、自由にコミュニケーションを取ってもらいました。

ほぼ全員が初対面でしたが、そこは同じ診療科を志望する仲間。志望する科への思いを語り合ったり、悩みを共有したりしているうちに、緊張が解けて笑い声があちこちから聞こえてきました。連絡先を交換する様子も見受けられ、ピジョン奨学生同士のネットワークが作られたようです。

  • 参加者グループ集合写真1
  • 参加者グループ集合写真2
  • 参加者グループ集合写真3
  • 参加者グループ集合写真4
  • 参加者グループ集合写真5
  • 参加者グループ集合写真6

ピジョン奨学生の在籍大学は全国に広がり、新型コロナウイルスの影響もあって、今年の新奨学生発表会も半数がオンライン参加となりました。しかし、やはりオフラインで交流したいとの意向も強く、都合をつけて遠方から泊りがけで参加した奨学生もいました。ピジョン奨学財団は、周産期医療の医師を目指す学生を経済的に支援するだけでなく、志を同じくする仲間との交流の場を提供することも大切な役割と考えています。

今後も、できる範囲ではありますが、定期的に交流の場を設ける予定です。ピジョン奨学財団の奨学生に選ばれたことを契機に、情報交換をしたり、悩みを共有したりして、お互いに切磋琢磨しながら目指す道に邁進して欲しいと願っています。

奨学生の集合写真

奨学生の360度集合写真